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与那国島沖の海底遺跡が世界史のどこに組み込まれ得るかという問題は未解決の分野です。 せっかくですから、この巨大なテーマを、自由な発想と柔軟な心で考察する(ブログ上の)素人学会ができれば・・・と夢みています。

17 鬼のルーツ?

55 鬼のルーツ?

「吉備大臣入唐絵巻」の謎々 3

「吉備大臣入唐絵巻」の陰の主役 鬼
吉備大臣は、外国から突きつけられる難問を片っ端から解決していくのですが、それらの難問を、吉備大臣が独力で解決したわけでは決してありません。
「鬼」の手助けが無ければ、1番目の問題も2番目の問題も解決しませんでした。3番目の暗号だけは「蜘蛛が糸で導いて解決できたにしても、その後もまた鬼の助けを得ているのですから、「鬼」は、「吉備大臣入唐絵巻」の陰の主役といっても差し支えないのです。

吉備大臣を助けに駆けつける鬼の姿です。

 吉備大臣入唐絵巻 鬼

絵巻の中では、この鬼は、唐に吉備真備とともに留学した阿倍仲麻呂が、幽閉されて餓死した後の変化(へんげ)の者なのですが、わたくしは、いろいろ回りくどい説明を抜きに、ズバリ、この「鬼」とは、クレタ島のことであると思います。



鬼とはクレタ島のこと?
クレタ島は、下図で分かるように、頭に二本の角があり、顔があり、ちゃんと鼻までついています。
鼻の辺りをハニヤ=ハナ?というのもご愛嬌です。
 
 クレタ島 鬼図


次の左の絵はギリシャの壷絵に描かれているミノタウロス退治のシーンです。
右の絵は、江戸時代の黄表紙の「蟻通之御本地」の一こまです。この「蟻通之御本地」は、この挿絵の鬼の上方に見える「七曲の玉」に糸を通すようにという難題を、「蟻に糸を結びつけて通り抜けさせて」解決するというもので、蟻通神社の由来書などとほぼ同じ内容ですが、神社関係の由来書には、「鬼」は出てきません。
「蟻通之御本地」では、題名に「御本地」なる言葉が使われ、しかも、「鬼」が登場するのです。これは、「蟻通」の本地が二本の角のある鬼の形状のクレタ島であることを示唆していると思われます。


 蟻通之本地.とミノタウロス

およそ、二千年の時の隔たりを感じさせない鬼とミノタウロスの構図の一致が見られます。

「蟻通」の話は、クレタ島の、紀元前16Cよりも昔のミーノス王にまつわる神話ですから、「蟻通の話が伝播した」だけで、「蟻通神社」が創られるはずもなく、また、「日本で蟻通の難題を解決した」のが、クレタ島の神話と似ているのは偶然の一致というわけにもいきません。
何故なら、クレタ島のミノア時代のファイストス円盤という粘土版が、日本語で読めるのですから、ミノア時代のミノタウロスが、わが国の最も古い「角ある人間」であり、これが、「半牛半人」や「牛鬼」や「鬼」の原型であるといえます。



モーセの角の謎
ファイストス円盤と、聖書の創世記48章、49章、そして、申命記33章がリンクしているのですが、創世記や申命記を書いたのはモーセです。
そのモーセが、神の国のアイデンティティを喪失したときに備えて「ファイストス円盤」を創って置いたことが申命記31章に書いてあるのですから、モーセが日本語を話す日本人であったことを否定することはできません。

そのモーセの像が、ローマのサン・ピエトロ・イン・ヴィンコリ聖堂にあります。ミケランジェロMichelangelo Buonarroti 1475-1564 作のモーセ像には二本の角があります。

モーセ像 1
このモーセに虎の皮のパンツをはかせて、金棒をもたせれば、そのまんま「鬼」ではありませんか。
モーセの頭に角があるのは、聖書のラテン語の誤訳で、「光を放つ」を「角が生える」と間違って表現した為であると言われています。
しかし、出エジプト記32章には、モーセが、シナイ山に登って、40日ほど留守をしている間に、兄である祭司のアロンが、「エジプトの地から民を連れ登った神」なる金の子牛を創って崇めさせていたといいます。
モーセの兄のアロンも日本人ですから、その「金の子牛」とは、モーセの象徴として創られたものでしょう。日本人は、指導者を神に仕立て上げる習癖をもっていますから。

「牛」には、トロイア=トロアス=タウロス(牛)の大人(うし)という意味が込められていたと考えられます。
「モーセ」の「モー」は、牛の鳴き声でもあることですし。


しかし、「角」と「光」が似た言葉であったために間違ったのであるという説もまた聞き捨てならない情報です。
「鬼」というのは語源的には「オン」すなわち「陰」だったといいます。

「倭名類聚鈔」源順 十世紀頃
 於爾は陰の訛ったもの
 鬼は物隠れて見えにくい

つまり、「隠れ神」のことで、即ち、陰陽ニ神の「陽」と一対の「陰」の部分です。
「オン」という宗教都市がエジプトのナイル東岸のデルタにありました。メンフィスの北東30kmほど、現在のカイロの北東10kmほどのところで、ナイル川がこのあたりから扇の骨のように分岐して地中海に流れるのですが、その扇で言えば要のところにオンがありました。オンは太陽崇拝の中心地であり、ギリシャ名をヘリオポリス(太陽の町)といいました。このヘリオポリスのうちに陰の部分、後にネクロポリスといわれる部分が含まれていたのではないかと思われます。

モーセもまた、この、オンの祭司一族でもあった可能性があります。

ミケランジェロのモーセ像は、河神オケアノス像(下図)の描き方を踏襲して描かれていると考えられるのです。

オケアノス
ウィキペディアのオケアノス像 トルコ語版から

オケアノスは、ウラノスとガイアの子です。河神といわれていますが、大洋の支配者でもあります。
その肖像は、通常、角と頬髭そして長い髪や顎鬚で描かれており、下半身が蛇や魚のときもありますし、変身して牛や蛇にもなります。ということは、伏義と全く同じですね。

上のオケアノス像の額の部分にも猿が隠れているのが見えるでしょう。猿は申と書きます。申はモースであり、示す篇と申で構成してあるのが「神」です。お神輿を創案したのもモーセですし、私たち日本人とモーセは、切っても切れない関係にあるようです。

ウラノスが宇=天、ガイアが地であり、わが国の「記紀」のウガヤフキアエズは、天地支持者であるアトラスのことであることは既に説明しました。それは、伏義と女媧のカップルであり、定規とコンパスを持ち、下半身蛇体で描かれることが多いことも書きました。
中国では、その次の世代の王が牛頭人身で描かれていることが多いのですが、わが国でも、須佐之男命は牛頭天皇であると伝承されています。




ファイストス円盤に刻印されているヨシフ(葉枝扶 海幸山幸の父)は、パロから、オンの祭司の娘を妻として与えられたと創世記41章にあります。このヨセフの息子たちが、「エフライム=山幸彦=彦穂々手見命とマナセ海幸彦」です。とはいえ、彦穂々手見命は、高千穂の宮に580年いたと「古事記」に書かれているのですから、神代の人物名は、王朝名や国名を兼ねている場合が多いということを念頭においておかねばなりません。

また、ヨセフの弟ベニヤミンの名前は、もともと「ベン・オニ」と名付けられていたのでした。(創世記35章18)ヨセフの弟の、「ベン・オニ」という名は、そのまま「赤オニ」という意味です。
「ベン」とは、ピラミッドの冠石を「ベンベン石」といい、その「ベン」が、フェニキアであることがわかっています。「ベン」は、日本では「弁天様」、即ち、水運の神でありますが、「ベンガラ」の言葉が象徴しているように、「赤、紅、呉」を意味していますが、フェニキアという名もポエニという別名も「赤」という意味です。



鬼に金棒
ヨセフ族が「鬼」であろうことは、ファイストス円盤で、ヨセフが「金棒」で以って支配していたらしいことを象形文字で表わしていることからもわかります。
「ヨセフうしはく(治める)」と読ませているのは、ファイストス円盤A面の次の場面です。

ヨセフうしはく

「大人」という言葉を辞書でひきますと、「大物」「貴人」の意であると書いてあります。しかし、わが国の民間伝承では、「おおひと」即ち、ダイダラボッチです。そして、「貴人」は「鬼人」とも書き換えられます。
また、ファイストス円盤で、ヨセフ民が治めるために「佩(は)く」のは、「鬼に金棒」の鉄の棍棒です。
日本の各地に伝わっている「おおひと、即ちダイダラボッチ」は、「貴人」かつ「鬼人」であったヨセフの民だったことがこれでわかります。

ところで、ギリシャ神話で、棍棒とともに描かれるのは、「ヘラクレス」と「オーリオン」です。「ヘラクレス」は、ヒエラ・クレース、即ち、聖なるクレタ人という意味です。
「オーリオン」は、クレタを首都としたポセイドンの息子です。ポセイドンは、一つ目の巨人ポリュペイモスの父であるとホメロスの「オデュッセイア」にも書かれています。
ですから、この両者の実体は同じであり、その強力の源泉が金棒に象徴される「産鉄」だったということです。


産鉄、特に、「たたら産鉄」は隠され続けました。
鬼が「陰=隠」から来ているという説明は正鵠を射ているといえます。陰は、女性で表わします。陰部をホトといいますが、それは「火土」でもあり、ヒッタイト=ヘテでもあります。


さて、吉備真備の吉備地方は、鉄と密接な歴史を有していたようです。

平安時代の紀貫之が編集した『古今和歌集』の最後のほうに、
  
 真金吹く 吉備の中山 帯にせる  細谷川の 音のさやけさ

という歌が記されていますが、この「真金吹く」は吉備の枕詞であり、この地方が古代に「たたら製鉄をしていた」ことを意味するものであろうと認識されています。
この吉備は、吉備津神社や吉備津彦神社があり、鬼伝説に彩られている地方です。

「鬼にであう吉備路」というホームページの、古代国家吉備の謎に迫る には、鬼伝説が解説されていますので、検索してみてください。


その「吉備と鬼」「吉備と鉄」の密接な関係を活かし、そこから、世界の古代史を尋ねさせようという、わが国の先祖たちの雄大な構想が垣間見えたのではないでしょうか。

「鬼」というのは、悪の象徴ではないはずです。現代人は、「鬼」について、何か大きな勘違いをしているにちがいありません。
なぜなら、私たちの家の屋根々々の上から、「鬼瓦」なるものが、家の守り手として睨みを利かせていたからです。
また、「魂」という字を見てください。「魂」という重要な言葉に悪字が使われるわけがありません。
やはり、「鬼」というのは、「みえにくい」「隠れている」が本義であろうと思います。

わたくしたちにも、善魂や隠れた才能やが眠っていると思います。そして、それが、日本の急場を助けるということはよくあることです。
NHKの「電子立国日本の自叙伝」や「プロジェクトX」には、そのような、善根や隠れていた才能やアイデアが会社を救い、ひいては日本を益したことがわかる場面が記録されていてとても感動した番組でした。

「吉備大臣入唐絵巻」は、こうした様々な問題を提起しているようです。



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16 ファイストス円盤の情報2

54 ファイストス円盤の情報2

「吉備大臣入唐絵巻」の謎々 2

野馬台詩と終末予言「ヨハネの黙示録」

この「吉備大臣入唐絵巻」の野馬台詩が終末予言であることは、良く知られていることです。
この週末預言に野馬台詩という名が付けられていることは、「魏志倭人伝」中の邪馬台国と関係付けられるということを示しており、「台」という字が重要であることを示唆しているかのようです。

また、「聖徳太子未来記」と称する終末説話も、野馬台詩に関係付けられていますが、そこには「人王九十五代に当たって、天下ひとたび乱れ主安からず。この時、西鳥来たって東魚(とうぎょ)を呑む。・・・」と書かれていたといいますが、私はこの書を目にした事がありません。
いずれにしても、「野馬台詩」は、平安朝から戦国時代にかけて、日本の歴史や史論に大きな影響を及ぼしました。仏法の末世論が背景にあり、観音信仰と結びついたことが、この詩の流布の拡大に寄与したようです。


「吉備大臣入唐絵巻」の謎解きにおいて野馬台詩がファイストス円盤とリンクするように編纂されているということを説明しました。これは、見過ごすことの出来ない問題を提示していると云えます。

それでは、「野馬台詩」は何時のことを予言した詩なのかといいますと、私は、この「野馬台詩」が、「ファイストス円盤」とリンクしており、清少納言の「枕草子」の“蟻通し”もまた「ファイストス円盤」やヨハネの黙示録と連携していることははっきりしていますので、「野馬台詩」についても、「ヨハネの黙示録」と関係付けなくては意味を失います。

聖書の終末予言は、創世記からヨハネの黙示録にいたる全ての章にちりばめられていますが、最も具体的に詳細に終末予言が書かれている箇所は、ヨハネの黙示録です。



野馬台詩

 東海姫氏国 百世代天工
 右司為輔翼 衡主建元功
 本枝周天壌 君臣定始終
 谷填田孫走 魚膾生羽翔

 葛後干戈動 中微子孫昌
 白龍游失水 窘急寄胡城
 黄鶏代人食 黒鼠喰牛腸
 丹水流尽後 天命在三公

 百王流畢竭 猿犬称英雄
 星流鳥野外 鐘鼓国中喧
 青丘与赤土 茫々遂為空

 
東海姫氏の国
東海からきたヨセフの民
ヨセフは、エジプトにおいて、大物となったのですが、ヘロドトスは、その著「歴史」で、「エジプト人たちは、東からやってきた」と言っています。ファイストス円盤と照合してもこうなります。
「姫」とは、地母神(地球)の娘「伊邪那美=イヴ=ペルセフォネ=イシス=アテナ」のことです。

百世 天工に代る
長い世を経て 世が開けて「天工」の代となった。
この「天工」とは、天のわざのことで、世のためにピラミッドを造って、穀物の種などを保護・保存して、世を救った「天皇(てんこう)氏」の時代のことです。

中国の神話時代の帝王を三人または五人にまとめて、三皇五帝と書かれていたりします。
天皇(てんこう)・地皇(ちこう)・人皇(じんこう)、
前漢・司馬遷『史記』秦始皇本紀において皇帝という称号を定める文脈でこの三皇が挙げられています。
司馬貞が補った『史記』の三皇本紀(補三皇本紀または補史記という)では三皇を伏羲、女媧、神農としていますが、天皇・地皇・人皇という説も併記しています。

 天皇氏の時代には、十二人の兄弟が順番に王位についた。
 みな無欲恬淡でなんら作為するところはなかった。
 そして、その徳のために民俗はおのずから化せられた。
 続いて、地皇(ちこう)氏の時代は十一人兄弟が王位についた。

といいます。
これは、「ファイストス円盤」に「大人(うし おおひと)」が12個刻印されたのちに、1個削り取られていて、ヤコブの12人の兄弟とその後のいきさつを表わしているのに一致しています。
また、「野馬台詩」の次の詩句も、「天皇・地皇」の時代の状況と一致しています。

右司 輔翼となり 衡主 元功を建つ
初に治法の事を興し 終に祖宗の祭りを成す
本枝 天壌に周く 君臣 始終を定む


この「本枝 天壌に周く」が、ヨセフ=葉枝扶の時代をも意味しており、ヨセフが世界樹であったことを示しているのです。
そして、祭政一致の調和の取れた法治国家であり、天の恵み同様に地もあまねく潤っており、
王も官吏も相助け合ってその功を立て、君臣の乖離もなかった。

谷みちて田孫走り 魚膾(かい)羽を生じ翔る
また、地は谷々まで豊穣で、海や川には、魚類が飛びはねるような生き生きした時代であった。 

葛の後 干戈動き 中微にして子孫昌んなり
白龍游ぎて水を失い きん急にして胡城に寄す
黄鶏代わりて人食し 黒鼠は牛腸を喰う   
丹水 流れ尽きて後 天命 三公に在り


カドムスのフェニキアが繁栄しすぎた後、にわかに富を防衛するための武力に頼るようになって、
やや翳りはじめたが、子孫はまだ盛んであった。
しかし、軍閥がのさばって、商船の水域や経済が浸潤されて枯渇してくるようになり、また、
防衛のための胡城の建設に経費がかかる上、軍の若造が人皇(じんこう=ヒト国=ヒッタイト)を食いものにし、黒い軍閥が牛国(タウロス=トロイア)の内臓を貪り喰らい、夥しい血が流れて天運が尽きたので、
アトランティスは、天命により三権分立することを余儀なくされた。


百王流れ 悉く竭きて 猿犬 英雄を称す
星流れて野外に飛び  鐘鼓 国中にかまびすし
青丘と赤土      茫々として遂に空と成る


それから、百の王家が流され、ことごとく絶たれて、代わって、
猿犬のような無知の者たちが英雄を称す時代となる。
すると、星の光すらも見えない闇夜となり、
戦争と戦乱の絶える事のない世の中になる。
こうして、緑の丘は禿土の荒野と化す。


このように「野馬台詩」は、天地の時代、人の時代、獣の時代に分けて書かれ、それぞれ、過去、現在(予言が書かれた時)、未来にふり当てられています。

最初の天地の時代とは、天地支持者たるアトラス一族のアトランティスの時代です。
「日」のエジプト、「月」のアジアが仲良く共存していた時代です。「星」のヨーロッパも瞬いていました。
ですから、未来の予言も、わが日本一国のそれではなく、世界的歴史における神の国にあてた予言であると考えざるを得ません。
「星」も光を失う時代とは、星を旗印とする欧米諸国の世界政策を繰り広げる時代のことで、「光輝ある」と自称していますが光はまったくない闇夜をもたらせます。

ですから、わが国は、つい百年ほど前は、「山紫水明の国」であることを、なによりも尊いことと考えておりましたのに、わずかの年月のうちに、目も当てられない「山塵水毒の国」に変じているという事態に陥りました。
事実を直視すれば、この「未来への予言」は、まさしく、現代にあてたものであるとわかります。
「百王流れ」は、わが国の王のことを言ったものではありません。世界の王がことごとく絶たれることをいっているのです。そして、代わりに「犬猿」が支配するのです。

これは、聖書の予言の内容と全く同じであり、ことに、ヨハネの黙示録では、戦争のラッパの音につれて、天、地、水、人、そして、生きものまでもことごとく、破滅に向かっていくさまが具体的に書かれていますので、聖書のヨハネの黙示録の予言と野馬台詩は、緊密に連携していると考えられます。



詳しくは次の項目をご覧下さい。
12 御神輿と契約の箱
13 日本のアイデンティティー
14 賢木と命の木
15 神の国の門
16 七つの封印の書物
17 二十世紀のミレニアム戦争と日本
18 24ヶ月間踏み躙られると予言された国


15 ファイストス円盤の情報1

53 ファイストス円盤の情報1

「吉備大臣入唐絵巻」の謎々 1


平城京遷都1300年祭に行かれたシーター様からのコメント

春秋の筆法(暗号文)について
口遊の源為憲の事を調べていて、村上通典氏のブログに巡り合ったのですが、
この900年時代に源為憲のような数学者がいるということは、
平城京の時代の吉備真備などめちゃくちゃ頭のいい人がいるということは、
古典は深すぎるのですよね。


邪馬台国エジプト説を検証するために、「ファイストス円盤」という暗号文書の解読について書いている折もおり、シーター様のこのコメントに接して、急遽、「吉備大臣入唐絵巻」の謎々という項目を挟むことにしました。


吉備大臣入唐絵巻の謎に挑戦
というNHKの放送が、4月29日(木) 総合TV 9:00~9:45 にありました。

「吉備大臣入唐絵巻」は12世紀後半、後白河法皇のもとで制作されたとされ、奈良時代に実在した吉備真備(きびのまきび 693~775年)が、遣唐使として唐に留学したことを土台にした冒険譚が描かれている国宝級の絵巻です。
この「吉備大臣入唐絵巻」は、今は、アメリカのボストン美術館の所有になっているのですが、平城京遷都1300年祭のイベントに展示するために目下里帰り中で、奈良の国立博物館で6月20日まで展示されています。

ところが、この24,5mにも及ぶ絵巻は、大事な後半が欠如しています。
NHKの「吉備大臣入唐絵巻の謎に挑戦」は、ボストン美術館所有のこの絵巻の最初の方に、「欠如しているとされている後半の重要場面が紛れ込んでいる?」という懸念を追求して、さらに、『江談抄』に書かれている「吉備入唐の間の事」などを参照しながら、慎重な検証を重ねていったものです。そして、現存しない最重要な場面を推理して復元して描いて見せるという、なかなか面白い企画でした。
女性日本画家お二人が、後半の重要な場面の復元を依頼されて、「吉備大臣が蜘蛛の導きで『野馬台詩』を読み解く場面」と、「鬼から手に入れた古い双六の筒で、唐の太陽と月を封じてしまう場面」、更に、「宝物を満載した遣唐使船で吉備大臣が帰還する場面」が描かれているのを見ることができました。



「吉備大臣入唐絵巻」の謎々
今から私が解説する「吉備大臣入唐絵巻の謎」の解明は、この「吉備大臣入唐絵巻」が邪馬台国エジプト説に大いに貢献するということを証明するというものです。まさか?あるいは、またか!とお思いでしょうが、ぜひ読んで検討してみてください。
NHKの「吉備大臣入唐絵巻の謎への挑戦」よりもはるかに重要かつ多次元に渡っている難問の謎解きが展開します。


「吉備大臣入唐絵巻」は、遣唐使として当時の唐に渡った吉備真備が高殿に幽閉され、皇帝から与えられる様々な難題で試練をうけるが、どれもみごとに解決するというストーリーで、ドイツの「ミュンヒ・ハウゼン男爵の冒険=ほら男爵の冒険」ばりのコミカルなタッチで描かれています。

吉備大臣が一番目に科せられた難題は、「文選」を正しく解釈せよというもので、この難問は、阿倍仲麻呂(一緒に入唐したが、帰国しなかった人物)の変化(へんげ)の鬼の助けを得て、無事に切り抜けることができました。
しかし、この問題の裏には、「文選」に含まれている暗号(古代史を解く鍵)を解けという指令が隠されているとみます。この謎については、私自身が、「文選」を読み通してから、お答えすることにします。

二番目は、「囲碁」の対決です。中国第一の囲碁の名人と対局して勝たなければ面目がたたないという難局です。
これは、このままでは勝ち目がないという局面を読み取った吉備大臣が、相手の碁石を一個飲み込んで、腹中に隠すという措置で勝ちました。

この「一目(いちもく)」隠すということに暗号を読み取った方がおられるでしょうか。
碁石一個のことを一目といいますが、実は、碁石の一目のことではなく、実は、その背後に「一目(ひとつめ)=たたら製鉄」を隠して、本国日本に引き上げさせたという歴史を物語らせるという高等技術が垣間見えるのです。
これは、中国からたたら製鉄の技術がすっかり消え失せて、わが国においてたたら製鉄の技術が保持されてきたことの謎の解明に迫る問題です。
吉備真備は吉備地方、今の岡山県にその名を刻んでいる名門の一族ですが、吉備真備の吉備地方は、鉄と密接な歴史を有していたようです。

平安時代の紀貫之が編集した『古今和歌集』の最後のほうに、
  
 真金吹く 吉備の中山 帯にせる  細谷川の 音のさやけさ

という歌が記されていますが、この「真金吹く」は吉備の枕詞であり、この地方が古代に「たたら製鉄をしていた」ことを意味するものであろうと認識されています。
この吉備には、吉備津神社や吉備津彦神社があり、鬼伝説に彩られている地方です。

「鬼にであう吉備路」というホームページの、古代国家吉備の謎に迫る には、鬼伝説が解説されていますので、検索してみてください。

その「吉備と鬼」「吉備と鉄」の密接な関係を活かし、そこから、世界の古代史を尋ねさせようという、わが国の先祖たちの雄大な構想が垣間見えるのではないでしょうか。


また、碁盤は19×19の361目の正方形で成り立っていますが、そこから、一目を取り去ると360という数値が現われることになります。ここから、円や周という隠された意味が浮上してきます。
19×19という正方形から直角定規、360という数値から、円と球そしてコンパスが浮上します。
ここに、直角定規とコンパスをシンボルとする神話時代の「女媧と伏義」が潜んでいそうです。
「コンパス形のLやV」と、「直角定規形のLやT」の模様の方格規矩鏡(ほうかくきくきょう)の出土とも関わると考えられます。そして、TLVの規矩は天文を表しているとされています。

コンパスと定規をシンボルとする「女媧と伏義」が、わが国の歴史では、ヨセフ=葉枝扶の息子のエフライム=彦穂々手見命系の王朝のこと、すなわち「ウガヤフキアエズ王朝」であり、それはアトランティス時代のことであることを、私は「古事記」と「ファイストス円盤」と「聖書」から解明しました。アトランティスは、地の両極に首都を持っていましたので、それを「西王母と東王父」で表わします。
正方形はピラミッドを置く地方、円は円墳を置く地方、また両者を掌っていることを象徴する前方後円墳などの「秘密を一手に握っていた」のが、この「女媧と伏義」の一族であったと考えられますが、この「吉備大臣入唐絵巻」が提出している、「正方形を円に」という謎かけによって、吉備一族、或は、阿倍仲麻呂=「鬼」が、この秘密を握っていたと言うことが浮上しました。



三題目が大問題です。
今度は暗号文の解読という問題です。意味が取れないように字の配列を変えてある「暗号文」を読み解かなければならないというのです。
絵巻の場面ですと、結界をした厳重な監視体制の中で書かれた暗号文を、その場で読み解けと迫られたようです。

吉備大臣入唐絵巻 1
「結界の内で野馬台詩が書かれている場面」であると、この度見直された画面。


そして、出題された文章は、次のような文でした。

      水 丹 腸 牛 竜 白 昌 孫 填 谷 終 始
      流 尽 鼠 喰 遊 失 微 枝 田 孫 臣 定
      天 後 黒 食 窘 水 中 動 魚 走 君 壌
      命 在 代 人 級 寄 干 戈 膾 生 周 天
      公 三 鶏 黄 城 故 後 葛 翔 羽 枝 本
      百 王 流 赤 土 空 東 百 世 祭 祖 宗
      雄 英 畢 与 茫 為 海 国 代 成 興 初
      星 称 竭 丘 茫 遂 姫 氏 天 終 治 功
      流 犬 猿 青 中 国 司 右 工 事 法 元
      飛 野 外 鐘 鼓 喧 為 輔 翼 衡 主 建



さすがの吉備大臣も、今度ばかりは打つ手がなく、絶体絶命のピンチ。長谷観音に祈ります。
すると、天井から降りてきた蜘蛛が文字の上を、糸を引きながら導いて、「東」から「空」まで、一筆書きのように読むことを教えてくれたので、またもや、難局を切り抜けることができたというものです。
読みとってみると、それは「野馬台詩」と呼ばれる「予言詩」でした。

   野馬台詩 2



迷宮と琴瑟が浮上

蜘蛛の糸の導き 1
蜘蛛が読み方を導いてくれたというその足跡を辿ると上の図のような迷路図になります。
ということは、ここにもまだ謎が潜んでいそうです。
そこで、浮かび上がった三個の「王」の字に着目して、私は囲われた線の内側を塗りつぶして見ました。すると、「琴瑟相和す」という言葉で善く知られている「瑟」の字が浮かび上がりました。普通「瑟」の字は、「王」の字二つと「必」とで構成されているのですが、「王」が三個の場合もあるのです。

「琴瑟」はどちらも琴ですが、大雑把に言って「琴」は小琴、「瑟」は大琴です。
琴瑟は神を呼ぶ楽器といわれ、琴は神農氏が造り、瑟は伏義氏が造ったと伝えられています。
神農氏も伏義氏も中国の歴史書では神話時代の登場人物ですが、第二問目で、「伏義・女媧」が、わが国のウガヤフキアエス王朝のことであり、それが、アトランティスのことであると述べたばかりですが、第三問目でまたもや出現です。
そして、クレタ島出土のファイストス円盤のA面が女媧で、B面が伏義を表わしていることを、このブログの始めのほうの「36 蟻通しの難題とファイストス円盤」で説明しました。
「女媧と伏義」とアトラスの関係については、4 浦島太郎と彦穂々手見命 を参照してください。



迷宮と琴
「琴瑟相和する」とは、「最高のハーモニー」のことで、普通は「夫婦仲がすこぶるよい」ことですが、ギリシャ神話のフェニキアの祖カドモスの妻の名前のハルモニアがハーモニーであることからきていることが連想されます。
さらに、琴といえば、ギリシャ神話のオルフェウスですが、これは、黄泉の国、即ち、迷宮から脱出するようにと琴を奏でたことで有名です。上図のような「迷路」に、「琴瑟」とは、これ以上にぴったりの相性はありません。
オルフェウスが竪琴の妙なる音色で黄泉の国の王の心を和らげて、妻のエウリュディケを黄泉から帰還させようとした話は、伊邪那岐命が、伊邪那美の命を黄泉から帰らせようとした話と同じです。
また、「琴とダヴィデ」も、忘れるわけにはいきません。ダヴィデの詩篇の主題も、「黄泉=迷宮」からの脱出を促す内容です。

そして、この謎もまた、クレタ島での迷宮脱出のアリアヅネの糸とリンクしている様相が見えます。下図「Diego Riverの迷宮」を参照してください。

迷宮 
迷宮 Diego River


蜘蛛の糸の導き 2
蜘蛛は天井(天上)から糸でぶら下がってくるので、これは、次の事柄を連想させるに充分なモチーフです。

1クレタ島のアリアヅネの糸は、迷宮脱出という難題の解決の糸口となった。
2クレタ島のミノス王が他国の王からの「巻貝の天辺の小さな穴に糸を通せ」という難問をだされて、
ダイダロスが、蟻の腰に糸をつけて巻貝の中を通り抜けさせるという解答を教えた。
3蟻通明神の由来 日本は唐から「七曲の玉の中に糸を通せ」という難題を突きつけられた。
ある中将の年老いた親が「蟻の腰に糸をつけて七曲の玉を通り抜けさせるようにと教えて解決した。
4三輪の玉依姫は、夫の衣に糸をつけてその後を辿って、姿の見えない夫(神)の正体を知ることに成功した。

私のブログをていねいに読んでくださっている方は、「吉備大臣入唐絵巻」の謎々に大変よく似た「唐から与えられる無理難題をすべて解決して、日本は賢かりけりと賞賛され、かつ、わが国が奪われるという危機を回避できた」という清少納言の「枕草子」中の“蟻通し”を連想されるでしょう。

清少納言の「枕草子」の“蟻通”に書かれている、外国から突きつけられたという難題と今回の「吉備大臣入唐絵巻」で吉備大臣に与えられる難題のパターンとはよく似ています。
両者ともに、幽閉され、虐げられいる人物が答えを出します。
両者ともに、解決に「蟻」や「蜘蛛」が糸で導きます。

「枕草子」の蟻通の難題の三番目の問題をとりあげてみます。
問い 七曲にわだかまりたる玉の、なか通りて 左右に口開きたるが小さきを奉りて、
   「これに緒通してたまはらむ。この国にみなしはべることなり」とて奉る。
答え 大きなる蟻をとらえて、二つばかりが腰に細き糸をつけて
   いま少し大きをつけて、あなたの口に蜜を塗りてみよ。
   蟻を入れたるに、蜜の香を嗅ぎて、ことに、いととく、あなたの口より出でにけり。

私は、さきに、この「蟻通し」の謎々は、ファイストス円盤についての謎解きであると説明しました。
そして、「吉備大臣入唐絵巻」の「野馬台詩と蜘蛛の糸」の謎々もまた、ファイストス円盤にまつわる謎々であると私は解きます。

1、「野馬台詩」は120文字の詩です。そして、ファイストス円盤のA面が122字、B面が119字ですから、平均して120字であるという一致があります。
2、両者とも「日本国の過去と未来」に関係ある詩です。
3、両者とも真ん中あたりから読み始めます。
4、両者ともに、「女媧と伏義」とアトラスの関係についての謎が含まれています。

幾何では、二つの三角形の三辺の長さが同じであれば合同であり、三つの角度が同じであれば、相似または合同であるといいます。「枕草子の“蟻通”と「吉備大臣入唐絵巻」との間にこれだけの一致をみることは、同じ内容であると言えるでしょう。

ファイストス円盤 A面 ウィキペディア
 「ファイストス円盤」のA面  写真 ウィキペディア コモンズ

この円盤もまた、真ん中から読み始めることがわかっていますし。日本の過去および未来にわたる予言にかかわっています。

35 国難と蟻通しの謎
36 蟻通しの難題とファイストス円盤

よかったらこちらも見直してください。
34 国難と神宝の洗い直し


ところで、普通、蜘蛛がさきほどの図のような迷路状に歩き回るのを見たことはありません。
蜘蛛が歩き回るとき、それは、蜘蛛の巣を張るときです。

蜘蛛の巣の作り方をウィキペディアから拾ってみます。

円網を張るには、普通、クモは出糸突起から糸を出し、それを風に乗せて飛ばし、向こう側に引っ掛かると、その糸の上を往復して糸を強化することで枠を作る。次に、枠の内側に縦糸を張る。
縦糸を張り終えると、中心から外側に向けて、螺旋状に粗く糸を張る。これは、横糸ではなく、後に横糸を張る時の足場であるという意味で、足場糸と呼ばれる。
足場糸を引き終わると、今度は外側から内側へと横糸を引き始める。横糸を張る時、クモは縦糸に出糸突起をつけて糸をくっつけると、中心に向かって進み、足場糸にさわると外側へ針路を変更し、次の縦糸に糸をくっつけるという動作を繰り返す。足場糸が横糸を張る邪魔になると、その足場糸は切る。最終的にはすべての足場糸は切り捨てられ、細かく横糸が張られて完成する。


この説明文のうち、
中心から外側に向けて、螺旋状に粗く糸を張る。これは足場糸である。
足場糸を引き終わると、今度は外側から内側へと横糸を引くという習性があるというのです。これは気になります。
と申しますのも、ファイストス円盤には、両面に絵文字が書かれており、A面は、中心から外側に向けて螺旋状に読み解くことがすでに分かっています。
B面には、聖書の言葉がリフレーンされていることを私は読み解いていましたが、いまいち、納得がいかなくて、まだ発表する気になれなかったのです。私は、B面についても、中心から読み解くものとばかり思っていたせいでしっくりしなかったのではないかと気がついたのです。

上の野馬台詩の迷路図をもう一度見てください。右半分は中心から外側に向かって読み始め、左半分は外側から進んで中心で読み収めます。

「吉備大臣入唐絵巻」の、野馬台詩を蜘蛛の糸の導きで読めという暗号は、ファイストス円盤のA面は内側から読んでいいが、B面の詩は、外側から読むように、すなわち、順序を並び替えよと示唆しているように思えるのです。そうすると、A面の中心のヨセフ=葉枝扶から始まってB面の中心のモーセ=産州(ムススorムッス)で終わる詩となり、これを作らせたのがモーセであるという申命記31章の章句とぴたりと合うようになるのです。

また、A面の一番外側に、ヨセフの息子マナセ=海幸彦の名が刻まれ、B面の一番外側にはエフライム=彦穂々手見命=山幸彦の名が刻まれているのですが、A面の外側の最終場面からB面の外側の最初の場面へと続くのであれば、この兄弟が隔離されないで一続きになります!!!

そして、ファイストス円盤A面は女媧、B面は伏義を表わしていることは、「36 蟻通しの難題とファイストス円盤」で解説したとおりですし、「伏義・女媧」とは、アトラスのことであることも、既に解説したとおりです。

「吉備大臣入唐絵巻」の謎の暗号文は、「四角と蜘蛛の糸」
「枕草子」の“蟻通”の謎の暗号文は、「円と蟻と糸」

この二つの難題話は、一対として綿密に連携しているとしか思えません。



野馬台詩

吉備大臣が、長谷観音の助けで解いた暗号文というのが、「野馬台詩」なのです。「野馬台詩」と聞くと、「邪馬台国」と関係がありそうだと、われわれ素人なら誰しも考えることでしょう。そして、ここまで、「野馬台詩」がクレタ島やファイストス円盤と連携して描かれているのことが明らかとなれば、野馬台詩と邪馬台国と関係があることが証明されたことになるのです。


野馬台詩

 東海姫氏国 百世代天工  東海 姫氏の国    百世 天工に代る 
 右司為輔翼 衡主建元功  右司 輔翼となり   衡主 元功を建つ
 初興治法事 終成祭祖宗  初めに治法の事を興し 終に祖宗を祭ることを成す
 本枝周天壌 君臣定始終  本枝 天壌に周く   君臣 始終を定む
 谷填田孫走 魚膾生羽翔  谷みちて田孫走り   魚膾(かい)羽を生じ翔る 

 葛後干戈動 中微子孫昌  葛の後 干戈動き   中微にして子孫昌んなり
 白龍游失水 窘急寄胡城  白龍游ぎて水を失い  きん急にして胡城に寄す
 黄鶏代人食 黒鼠喰牛腸  黄鶏代わりて人食し  黒鼠 牛腸を喰う
 丹水流尽後 天命在三公  丹水 流れ尽きて後  天命 三公に在り 
 百王流畢竭 猿犬称英雄  百王流れ 悉く竭きて 猿犬 英雄を称す
 星流鳥野外 鐘鼓国中喧  星流れて野外に飛び  鐘鼓 国中にかまびすし
 青丘与赤土 茫々遂為空  青丘と赤土      茫々として遂に空と成る


野馬台詩の大意

東海にあるこの国は、古代の姫氏(イヨ姫)の流れを汲み、百代にわたって代々栄えてきた。
優れた臣下に補佐されて、はじめから法治の体制が整備され、祖先を祭り、
君臣ともに道をわきまえ、国は理想的に治まってきた。

しかし、蔦がはびこるように戦乱がひろがり、
中ごろには衰微し、下賎の者の子孫が栄えるようになった。
白龍が水無しで泳ぐごとく、世の秩序も崩壊して、下克上のありさま。
なにごとも逆さま、黄色のひよっこが人を食い、黒鼠が牛腸をむさぼる世になり、
王の権力は失われて、天命は三公の貴族に移った。

そして、百王が流れ悉く竭きて 猿犬が英雄を称するようになる。
世は闇となり、内外に戦乱が起こり、
国土は荒廃して、青丘は赤土と化し、ついには空しいものになる。

「野馬台詩」が、予言の詩であることは、いろいろな人が書いていることです。




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「吉備大臣入唐絵巻」の謎々 2   野馬台詩と終末予言「ヨハネの黙示録」
「吉備大臣入唐絵巻」の謎々 3  陰の主役「鬼」  モーセの角
「吉備大臣入唐絵巻」の謎々 4  高殿は天界  天界での邂逅 七夕
「吉備大臣入唐絵巻」の謎々 5  「古事記」「日本書紀」と御神楽

 
 




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