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与那国島沖の海底遺跡が世界史のどこに組み込まれ得るかという問題は未解決の分野です。 せっかくですから、この巨大なテーマを、自由な発想と柔軟な心で考察する(ブログ上の)素人学会ができれば・・・と夢みています。

25 三輪の神とクレタ島のファイストス円盤

 25三輪とクレタ島のファイストス円盤

三輪の神の正体とファイストス円盤

「古事記」「日本書記」の美和の神の正体とファイストス円盤
「古事記」と「日本書紀」には理解に苦しむ内容や表現が多いのですが、中でも、最も奇異の念を抱くのが、正体不明の「美和の神」にまつわる物語です。
まったく荒唐無稽としか云いようがないような言葉で綴られています。
しかし、さきに見ましたような幾何学的「矢印」の謎が隠されているのですから、謎を解けという目的を秘めた書物であることは否めません。

三輪の神は「尋ねる神」であると古来数多の歌に詠まれているのも、「質問をする。疑問を抱く。」という意味合いを問いかけてあったようです。


「古事記」「日本書紀」の「三輪山の大物主」神話の中にでてい数々の「特異なモチーフ」も、クレタ島出土のファイストス円盤を実見してその謎を解明したいと思う者が「古事記」「日本書紀」の「三輪山の大物主」神話を尋ねるときには、その真相を語り始めるのです。

一、の「古事記」崇神記と、二、の「日本書記」崇神紀の「三輪山の大物主」にまつわる神話を掲載して、そこにでてくる奇妙なモチーフを列挙して、それがクレタ島の「ファイストス円盤」に対応していることを検証していきます。

 「古事記」崇神天皇記  抜粋
  この天皇の御世に役病多に起こりて、人民尽きなむとしき・・・
  大物主大神御夢に顕れて日りたまはく、
  「こは、我が御心なり。かれ、意富多々泥古を以ちて我が前を祭らしめたまはば、
  神の気起こらず、国も安平くあらむ」とのりたまひき。
  
  ここを以ちて、駅使を四方に班ちて、
  意富多々泥古といふ人を求めたまひし時
  河内美努村にその人を見得て貢進りき。
  ここに天皇、「汝は誰が子ぞ」と問い賜へば、答へて日さく、
  「僕は大物主大神、陶津耳命の女、活玉依毘売を娶して生みましし子、
  名は櫛御方命の子、飯肩巣見命の子、建甕槌命の子、
  僕意富多々泥古ぞ」と白しき。
  意富多々泥古を以ちて神主として、
  御諸山に意富美和之大神の前を拝祭りたまひき。
  また伊迦賀色許男命に仰せて天の八十ひらかを作り、
  天神地祇の社を定め奉りたまひき。
  
  この意富多々泥古という人を神の子と知りし所以は、
  上に云える活玉依毘売、その容姿端正しくありき。
  ここに壮夫ありて、その形姿威儀時に比なきが、
  夜半の時に忽に到来る。
  かれ、相感でて共婚して住める間に、未だ幾時もあらねば、その美人妊身みぬ。
  ここに父母、その妊身みし事を恠しみて、その女に問いて日はく。
  「汝は自ら妊みぬ。夫无きに何の由にか妊身める」といへば、答へて日はく、
  「麗美しき壮夫ありて、その姓名も知らぬが、
  夕毎に到来りて住める間に自然懐妊みぬ」といひき。

  ここを以ちてその父母、その人を知らむと欲ひ、その女に誨へて日はく、
  「赤土を以ちて床の前に散らし、へその紡麻を針に貫き、
  その衣の襴に刺せ」といひき。かれ、教への如くして旦時に見れば、
  針著けし麻は戸の鉤穴より控き通りて出でて、
  ただ遺れる麻は三勾のみなりき。
  鉤穴より出でし状を知りて、糸のまにまに尋ね行けば、
  美和山に至りて神の社に留まりき。かれ、その神の子と知りぬ。
  かれ、その麻の三勾遺りしによりて其地を名づけて美和というなり。


 「日本書紀」崇神天皇紀  抜粋
  倭迹迹日百襲姫命、大物主神の妻となる。
  然れどもその神常に昼は見えずして、夜のみ来す。
  倭迹迹姫命、夫に語りて曰く。
  「君常に昼は見え給はねば、分明に其の尊顔を視ること得ず。
  願わくは暫し留りたまへ。
  明旦に仰ぎて美麗しき威儀を観たてまつらむと欲ふ」といふ。

  大神対へて曰く。
  「言理灼然なり。吾明旦に汝が櫛笥に入りて居らむ。
  願わくは吾が形に な驚きましそ」とのたまふ。
  爰に倭迹迹姫命、心の裏に密に異ぶ。
  明くるを待ちて櫛笥を見れば、遂に美麗しき小蛇有り。
  その長さ大さ衣紐の如し。則ち驚きて叫啼ぶ。
  時に大神恥じて、忽に人の形と化りたまふ。

「古事記」崇神天皇記と「日本書紀」崇神天皇記の、美和の大物主神にまつわる上記の神話から、奇異なモチーフをピックアップすると、見事にクレタ島のファイストス円盤の諸条件にぴたりと合致するのです。
また、これがエジプトにも関わるものであろうことは、「陶津(スエツ)」の言葉が示唆しています。


特異な言葉            クレタ島のBC1600年頃の円盤の特徴
 
巻子紡麻(へそのうみのを)   渦巻き模様、臍の緒のごとく出生を証す
八十ひらか            ひらか 粘土板のこと
三勾 三輪            三巻  両面とも、三巻き半である
埴土 赤土            埴土製 赤い土
意富多々泥古           意趣に富んだ 泥を捏ねたもの
河内村 河内           ケフチフ(かふちの府)
美努村              ミノ(ス)村
陶津耳の女            スエズやエジプトに関係がある
小蛇                蛇がとぐろを巻いた形 
長さ太さ衣紐の如し        巾 約2,3cm  長さ 約1m の紐

ファイストス円盤には、よく見ると、三巻半の尻尾のない蛇が隠れています!

フ円盤A面図



ここに使われているモチーフとファイストス円盤の条件との間にこれだけの一致点があるのですから、これを偶然とは言えません。
三輪の大物主神にまつわる神話に使われているこうした言葉や着想は、未開な時代の遺物のように装われていますが、並々ならぬ寓意や歴史の真相が込められているようです。
こうした謎が用意されたその目的とは、わが日本国の臍の緒、アイデンティティーを明らかさせるためであることは、「日本書紀」 崇神紀の倭迹迹日百襲姫の名が倭の跡を辿るという意味であることからも推測できます。


「古事記」 崇神記の「三輪の大物主神」にまつわる章句から私が受けた中心メッセージは、次のようなものです。

この神話は、天皇のその御名「御間城入彦五十瓊殖」が示す「イリ王朝」 (トロイ系)が、テーベおよびクレタ島などの旧都を廃して脱出するにあたって、 自国の守護神の御名と国民の出自を証すため、「埴土を捏ねた」円盤に、「五十音の表音文字」と表意文字からなる言葉を 刻んで、「物種、物実」として土中に植えて置きました。
神の御名を忘れ果てるような末世の闇夜のときに発掘されて、この物種が日の目を見て、芽を出し枝葉を付けて、神の「聖なる賢木」となり、暗闇の迷宮から脱出する手引きの「巻子紡麻」の糸として機能するように備えておいたものです。
衣紐を繙いてその意図を汲み、宗教と歴史の闇の封印を解いて、迷宮から脱出するように。


「ファイストス円盤」についての、このような筆者の解釈を、牽強付会と一笑に付されるか、それとも、高踏的になってしまった結果、神からも歴史からも人々からも遊離してしまっている現代の宗教家や学者たちに「一矢報いる」ため、卑近なモチーフに、多次元的内容と原理原則を機略縦横に盛り込んで謎を掛けた古代人の知恵ととられるでしょうか。

これらの物語の主題は、美和山の神の正体を尋ねることです。そして、衣の裾に糸をつけた話は、クレタの「アリアヅネの、手引きの糸」として知られる神話と似通っています。


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コメント
大物主神
はじめまして。
大神の蛇の事を調べていましたら、ここに辿り着きました。
すごい検証をなさっているのですね。
残念ながら、ど素人の上にただの無学な超古代好きな輩にて
何のお役にも立ちませんかと(汗)
しかしながら、衝撃のご検証に拍手はさせてもらいました。
まだ、全部の章を読み終えていませんが、
ワクワクドキドキの内容で楽しみです。
これを機会にお暇な折に色々教えて頂ければ幸いかと。。
さて、もうご存知かと思いますが、大物主の衣紐は
アイヌが男女の秘事に関わるものという記事を読みまして、
大物主は金印の倭王であり、アイヌ系なのかしらと
ここまでの拙い検証に留まっておりましたが。。
2008/08/28(木) 23:27 | URL | シーター #OVtA6OIQ[ 編集]
Re 大物主神
シーター様

コメントに感謝しております。
拍手 第1号 ありがとうございました! 記念すべき日です!

.「大物主の衣紐」大変重要なキーワードだと思います。
 この発想!素人万歳!
 私もズブの素人ですから、こんなブログを書けるのです。

 アイヌ人たちの先祖も、ヒッタイトの製鉄(ハパルキ=ハバキ)製作に
 加わっていたと考えられます。アラハバキ伝説は、そこから、流れた
 ものではないでしょうか。
 玉鋼作りは、ヒッタイトの最重要な「秘事」でしたから、野心的ではなく、
 質実剛健な人種を選んでともに製鉄に従事していたと考えられます。
 また、妻から「秘事」が流出するというリスクに対処するために、「紐」
 にまつわる行事があったことも事実でしょう。
 これは、私たちの、近代までの「帯解く」という風習にも残ったようです。
  


 「下紐」に関しては、「万葉集」が最も多く(約80首?)のヒントを
 提供しています。「紐解く」「紐の緒を解く」などなど・・・

 それらは、「古事記」の大物主の記事の、「下紐」の長さの「蛇」の
 謎を「ひもとかせる」ためであると考えられます。
 クレタ島で発掘された「ファイストス円盤」は、直径16センチあまりの
 粘土製円板ですが、この両面に、それぞれ、男の小蛇と女の小蛇
 (尻尾がない)が描かれているのですが、この小蛇の長さを計算しま
 すと、約幅2,4cm、長さ1mの下紐のサイズになるのです。

 1908年に、この円盤が発掘されて以来、ここに刻まれている絵文
 字は、世界有数の謎というのが「定評」です。
 これを解読することが、世に名高い「ゴルディァス・ノット」を解くことと
 だと考えられます。
 
 「大物主」は、その名のとおり、「世界最大級の大物アトラス」であり、
 その 「秘事」を解け、すなわち、繙けということでしょう。
 ゴルディアスという場所が、この円盤の出土した遺跡の近くにありま
 す。(フリギュアのゴルジャスの話のように装われていますが。)
 円盤の出土したファイストス宮殿とはヘファイストス、即ち、鍛人(カヌ
 チ)の宮殿のことです。
 「一つ目」「目玉」をシンボルとしていました。三輪神社の「三輪」という
 名には、この意味が込められており、「的」ともとられていて、ヤマトと
 は、「矢の的」すなわち「矢的」の意を込めた奥深いものだったと考え
 られます。
 プラトンのアトランティス記事の中の、「アトランティス市街図」が、それ
 で、わたしは、これを「宮都図」であると解し、今の「キャピタルマーク」 
 のルーツであると捉えています。

 またの、ご意見をお寄せくださるのを楽しみにしております。

 

 
 
2008/08/29(金) 13:46 | URL | 久保 公 #-[ 編集]
神国日本
 神国ですか。神国日本といえば横山大観の有名な絵がありますね。島根県安来市に足立美術館という大きな美術館があり一度いってみたいと思っています。
2009/04/23(木) 20:36 | URL | 春出雲 #-[ 編集]
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