91 邪馬台国への行程 9 投馬国 五萬餘戸 9 南至投馬國水行二十日。官曰彌彌、副曰彌彌那利。可五萬餘戸。
投馬國五万戸」の検証
南至投馬國水行二十日 官曰彌彌 副曰彌彌那利 可五萬戸
投馬国の「五万戸」は、仮に少なく見積もって、一戸につき四人としても、二十万人以上の規模の都市となります。
このほかに、女王の住む邪馬台国は「七万戸」。ごく少なく見積もって三十万人以上を擁する大都市だったというのですから、こうした巨大都市の痕跡を、弥生時代の日本に求めるのは無理です。
木村鷹太郎氏は、「投馬国」を、クレタ島内の都ゴルチュンとしています。
その語源はゴルゴスGorgos、悍馬、即ち、暴れ馬を意味し、「投げる馬」で「投馬」だからです。
このゴルチュン近くから、ファイストス宮殿という古代の大宮殿が発掘されています。
この両町の周辺にアギア・トリアダ離宮などがあり、このエリアを五万戸としても不思議ではありません。
ここのファイストス宮殿跡から、1908年にイタリア考古学調査隊のルイジ・ペニエルによって発掘された「
ファイストス円盤」というBC1600年頃の粘土板があります。
なお「ファイストス」とは「ヘファイストス」つまり、鍛冶神にして火山神のことです。
ファイストス円盤は、クレタ島のイラクリオン博物館に展示してあります。
直径16cm余のこの小さな粘土板の両面には、241の絵文字が刻印されています。
この絵文字文書の解読と称する論文の数は、万を超えるといわれていますが、未だに「未解読文字」として扱われています。
このクレタ島から出土した「
ファイストス円盤」には、「
古事記」の「
彦穂々手見命」の名前が刻まれていることをわたくしは発見しました。
さらに、「
ファイストス円盤」と「
古事記」、「
聖書 創世記48章、49章」などを照合した結果、「
彦穂々手見=山幸彦」とは
聖書中の重要人物であるヨセフの息子エフライムであること、その兄弟の海幸彦は
マナセであることを見つけました。
「ファイストス円盤」は、「聖書」「古事記」「日本書紀」と密接に連携しあっていることを発見したのです!!!「創世記48章49章」は、「
ファイストス円盤」が存在しなければ意味をなさず、「
古事記」「日本書紀」には、「創世記48章49章」と「ファイストス円盤」を解くためのマスターキーを用意してあったのです。


左
彦穂々手見命(山幸)B面28枠 右 真魚背民(海幸)A面27枠
円盤B面(中央から)28枠目の、「男児=ヒコ」「穂」「手」「見張り」で構成された象形文字群を見つけて、私はこれが
古事記の「
彦穂々手見命」であることを読み取り、さらに、
彦穂々手見命の父が
ヨセフであることを創世記41章で見つけました。
創世記41章に、
ヨセフの二人の子供、
エフライムと
マナセの名の由来が書かれています。
ヨセフは長子を
マナセと名づけた。
神が私の全ての労苦と私の父の全家とを忘れさせたからである。
二番めの子を
エフライムと名付けた。
神が私を、苦しみの地で実り多い者とされたからである。
エフライムの「地の実り」は、山幸彦またの名彦穂々手見命と一致しています。
一方、
マナセは、円盤A面27枠目に「海の幸の魚」を以って象徴されていますので海幸彦と一致します。
しかも、真魚を「マナ」と読ませ、ロバの「背」と組み合わせて「
マナセ」と読むのですが、その「真魚の字をマナ」と読むよう示唆しているのは「
古事記」なのです。
さらに、彦穂々手見命を祀っている丹後の籠神社の奥社が「真名井神社」であることを想起します。
そして、この彦穂々手見命=
エフライムと、海神の娘豊玉姫の間に生まれたウガヤフキアエズという不思議な子供は、アトラスの別名なのです。
こうして、ファイストス円盤は「クレタ島とアトランティス」の問題にまでリンクしているのです。
投馬(とうま)国はクレタ島であると、木村鷹太郎氏は説いていますが、「日本太古史」では、次の説もあげています。
タウマ Thauma族海神あり、タウマは驚異的玉を意味し、
龍が持っている玉はこれであり、
豊玉姫や玉依姫はこのタウマ海神の娘たちである。
ホメロスの「イリアード」と「オデュッセイア」に出ている「イリス女神」は、このタウマ海神の娘です。そして、
Thauma Irisとは、「驚くべき美しき虹」あるいは「驚くべき美しき虹彩(目)」の意で、日本の玉依姫にあたると説いています。
「豊玉姫」が例の彦穂々手見命の妻で、その間に生まれたウガヤフキアエス(アトラス)の妻が「玉依姫」です。
そして、Thaumaタウマ、即ち、驚異的玉とは、アトラスが支え持っていた地球のことです。
また、「イリス女神」は、エジプトにおいては、「イシス女神」です。
こうした木村鷹太郎氏の説が正鵠を射たものであることが、およそ3500年昔の「ファイストス円盤」の刻印の「彦穂々手見」で証明できるのです。
これらの登場人物は、「古事記」「日本書紀」ともに、神代巻の掉尾を飾る、謎めいたロマンティックな物語の主人公です。そして、その物語を最も簡略にしたのが「
浦島太郎」の物語です。
彦穂々手見命と妻の豊玉姫が住んでいた宮殿、
彦穂々手見命の妻豊玉姫が住んでいた海神の宮殿について、
「古事記」や「日本書紀」は、次のような語句で形容しています。
魚鱗の如く造れる宮
雉堞(たかがきひめがき)整へそなわりて、
台宇(たかどの)玲瓏(れいろう=てりかがやき)、
城闕(かきや)崇華 楼台(たかどの うてな)は壮麗
上記のような海神の宮殿の描写は、二十世紀になってから発掘されたクレタ島のクノッソスやファイストスの宮殿やファイストス宮殿をそのまま描写しているといってもよいほどです。

クレタ島で発掘されたクノッソス宮殿の復元図
「風土記」の浦島浦島子の義父となる海神の大宮殿の場面を「風土記」平凡社の口語訳で紹介してみます。
海中の広くて大きい島に着いた。
地には玉を敷いたように美しく、
高い宮門は大きな影をおとし、
楼殿はあざやかに照り輝き、
いまだかって見たことも聞いたこともないようなところ。
「風土記」は、このように記しています。「いまだかって見たことも聞いたこともないようなところ。」とは、「すっかり忘れ去られてしまったところ」だり、3000年ほども忘れ去られていて、20世紀初頭に発掘して夜を驚かせたクレタ島の宮殿にぴったりの描写です。
しかもそこに住んでいる子供たちはスバル星やあめふり星の子供たちであると書いてあります。
スバル星はブレイァデス星団、あめふり星はヒヤデス星団のことですが、ギリシャ神話は、この両星座はアトラスの娘たち、即ち、アトランティスであると伝えているのです。
彦穂々手見命と浦島太郎浦島太郎の物語は、彦穂々手見命の事蹟を簡略化したものです。
彦穂穂手見命と
浦島太郎 両者ともに蓬莱山におもむき。
両者ともに海神の宮殿に滞在し。
両者ともに海神の娘との結婚と別離が語られている。
浦島太郎は竜宮城にとどまり、
彦火々出見尊の妻の豊玉姫が、お産の時に竜或は鰐に化なる。
(「古事記」では鰐、「日本書紀」では鰐、竜)
彦穂穂手見命は
浦島太郎と同一の話です。
豊玉姫の父 竜の冠を着けた海神続日本の絵巻19「彦火々出見尊絵巻」中央公論社より
「彦火火出見尊絵巻」は摸本だそうですが、それでも寛永年間(1624~44年)頃の絵で、詞書は藤原教長が治承元年(1177年)頃に書いたものだそうです。

彦火火出見尊絵巻 「続日本の絵巻19」小松茂美監修 中央公論社1992年
彦火々出見尊が、後に妻となる豊玉姫の父にお目見えするシーンです。
左端の「豊玉姫の父の海神」は、竜の冠を付けた姿で描かれています。
この絵巻の冠と記事を見ますと、冠に竜蛇を着けた王像が見られる世界で唯一の国エジプトの「テーベ王朝」を想起しませんか?
このようにスケールの大きい「邪馬台国」や「投馬国」を、九州の寒村に比定して、「吉野ヶ里」を邪馬台国であると喧伝しても、真実ではないのですから、空々しいかぎりです。
日本は、もう、このあたりで、嘘を種にして商魂たくましくするという詐欺をやめて、真実を直視するという態度にあらためないと、中国や韓国から馬鹿にされっぱなしにされるばかりか、国を失うことになりかねません。
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